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※PDFをzipファイルに圧縮したデータでの販売です。

 

この作品は、3楽章形式による、ホルンとピアノのためのソナタである。各楽章は、初演ホルン奏者の深谷武生氏のリサイタル時に、以下のように1章ずつ初演された。

 

第1楽章・・・2023年7月27日(木)「なわてサロンコンサート Vol.2 深谷武 生 ホルンリサイタル ホルンは歌う」 https://www.youtube.com/watch?v=L--jRzAIQDo

2楽章・・・2024年1月28日(日)「なわてサロンコンサート Vol.5 深谷武生 ホルンリサイタル ホルン千変万化!」

第3楽章・・・2025年2月19日(水)「なわてサロンコンサート Vol.17 深谷武生 ホルンリサイタル ~ホルン∞ホルン~」 

 初演ピアニストは全て釜﨑禎氏による演奏である。

 

演奏動画は、準備が出来次第、上記にURLを追加いたします。

 

 事前の練習では、両氏と様々に意見交換を行い、また、演奏法や楽譜の書き方などでアドヴァイスもいただいた。改めて、両初演演奏者に、深く感謝を申し上げる次第である。

 

 

第1楽章について

 

 曲の構成は、古典的なソナタ形式でできており、提示部には繰り返し記号も 使用されている。 

 提示部では、Vivaceのテンポによる12/8拍子で、第1テーマが溌剌と演奏される。第2テーマは少し落ち着き、歌謡的な旋律が歌われる。

 展開部は2カッコから始まり、第1部は第1テーマの展開。続いて第2テーマの展開。練習番号Gからは第2テーマの断片を使いながら。提示部で現れた音階の上行形の展開が続き第2テーマも再び混合される。練習番号Iは展開部の最終部分でもあり、再現部の始まりとも取れる構造となっていて、フガートだ。

 再現部は第2テーマが英雄的に朗々と歌われ突如中断され、フィナーレへと駆け抜ける。

 

 

第2楽章について

 

 第2楽章は、緩徐楽章とスケルツォ楽章を一つにまとめたような音楽で ある。 

 とてもゆったりとした、そして不思議な空気が漂うような雰囲気で、増3和 音を軸にしたハーモニーによる第1部分が始まる。 

 多少展開され、第2部分のスケルツォが突然現れる。途中重々しい音楽に切 り替わり、再びスケルツォに戻り、またこれらの音楽も中断される。 

 次に、突然レチタティーヴォのような形態の音楽が挿入される。この部分は 以下の日本語による詩が作られ、それをもとにホルンのメロディが創作された。 

 

ホルンのことが好きで、

好きすぎて、

まだ、

予定されていない3楽章が、

どんどんどんどんどんどんどんどん、

浮かんでくる。

ロンドにする予定なのだよ!

 

 その後は第1部分の回想がされ、最後は安らかに締めくくられる。

 

 

第3楽章について

 

 第3楽章は、ロンド・ソナタ形式を応用した形式で構成されている。

 主要主題はホルンが担当する。前半7小節のフレーズは、上行音階によるア ウフタクト・リディア旋法を中心とした旋律のコミカルなリズム・奇数小節・ 1/4 拍子の挿入などにこだわった作りだ。後半の8小節は、テンションノートを 鋭く効かせた和音伴奏にのって、対位法的な処理を施した動機を主軸に繰り広 げられ、擬似的な古典風のカデンツの装いで、ホルンのグリッサンドが特徴の フレーズで締めくくられる。 

 続く主要主題の確保はピアノを主体に繰り広げられる。練習番号 E からは推 移部である。7の和音を中心としたハーモニーで繰り広げられ、繰り返し記号 が設定されており(古風)で、主要主題部分は繰り返される。繰り返しの後は、 副主題に向けて推移部の小展開があり、新たな動機がピアノとホルンで繰り広 げられ、1/4 拍子による半終止があり、副主題が突然始まる。この副主題は、へ長調でピアノで提示され、そののちホルンで変イ長調で確保される。主要主題 に向けた推移部では、主要主題の動機を用いながら、属音保続により導かれる (古風)。 

 練習番号 K からは、主要主題が再来し、確保ののちの終止と同時に、中間部 に移る。中間部は、新たな動機の提示が行われ、展開が行われる。1かっこ部 分の4分音符スタッカートと1oct.上の音価の長い音符による動機の展開(カノ ンや4度2つ重ねた和音によるハーモニーによる)、副主題と主要主題と推移部 などの動機による展開が行われる。 

 練習番号ダブル I からは、再現部となる。まず主要主題の再現があり、推移部の転調が主張を目指していく。ホルンによる堂々とした雰囲気に変えられた副主題に向け、ピアノで盛り上がってゆく。この部分は主調のハ長調である。ま るで、勇敢な戦士たちが堂々と行進するかのようである。副主題の再現が終わり、練習番号ダブル R からはコーダとなる。 

 コーダ部分は主に、主要主題と副主題により成り立ち、非常に切迫して行き ながら、これでもかというくらい急速なテンポで、盛り上がり終止する。 

 

 なお、本作品は、時期未定で管弦楽伴奏によるアレンジ版を創作予定である。

 (2025.03.03)

Sonata for French Horn in F & Piano No.1

¥2,500Price
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